闘病マニア

1999年3月21日にくも膜下出血、2004年2月4日からの人工透析してるPKD(多発性嚢胞腎)患者の闘病を主に書いてます。闘病生活も10年を超えると生き延びる為に自分の病気にやたら詳しくなりマニア化してます。ただし不良透析患者なのでコイツ大丈夫と思われる事も多いと思いますが反面教師として役立てて頂けると幸いです。最後にくも膜下出血して透析してても元気にやって行ける事が多発性嚢胞腎の皆様に伝われば何よりです。

新潟腎友会の第13回秋季研修会のまとめ 2/2

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今回の研修会のテーマは「透析と上手に付き合っていくために知っておきましょう!」で講演内容は「薬を正しく使ってハッピーライフ」と「透析治療における水・電解質を学ぼう!」でした。

第1講演は『新潟腎友会の第13回秋季研修会のまとめ 1/2』を見て頂けると助かります。

 

第2講演「透析治療における水・電解質を学ぼう!」

厚生連小千谷総合病院の内科医の後藤 慧先生が「透析治療における水・電解質を学ぼう!」を講演されました。

電解質とは 〜人の体内の電解質

電解質とは水などに溶けた時に陽イオン陰イオンに電解する物質のことです。

人の体内にはナトリウム・カリウム・クロール・カルシウム・マグネシウム・リン酸・重炭酸イオンが有ります。


慢性腎不全における水・電解質の特徴

尿が出ない事により水分・塩分、血液中の老廃物や電解質カリウム・リンなどが体内に貯まります。

透析中の水・電解質の動き

透析中の水・電解質の動きでは「濾過」と「拡散」についての説明でした。

「濾過」は、透析器(ダイアライザー)の出口を狭くするように圧力をかけて、血液中の余分な体液(主に塩分・水分)を除去すると言うこと。

「拡散」とは、ティーパックをお湯につけた時に濃さが均一となるという原理で血液中の老廃物や電解質カリウム・リンなどが除去されます。反対に、カルシウムや重炭酸イオンなどは補充されること。

理想的な水・電解質管理のためにできること

水分管理

理想的な水管理では皆さまご存知の透析間体重増加の目標範囲「中1日の時:基礎体重の3%以内、中2日の時:基礎体重の5%以内」の説明でした。

水管理の為にできる事は「塩分摂取を適切に控えよう」と「普段から体重を測定する習慣を付けよう」でした。

カリウム管理

理想的なカリウム管理は目標値:透析前で6.0mEq/L以下(5.5mEq/L以下がより望ましい)との事でした。

カリウムの注意点:病状がでるときはすでに危険な状態、高度のカリウム結晶は命にかかわる

カリウム管理の為にできること
カリウム制限食を心がけよう(適切に摂取)②補助・健康食品などでカリウム不可が無いか確認③便秘を改善しよう

リン管理

理想的なリン管理は目標値:週初めの透析前で3.5〜6.0mg/dL、リン摂取量:1日あたり800mg以内です。

リン管理の注意点:血管の石灰化は心筋梗塞や下肢の痛み、壊死、副甲状腺ホルモン過剰は動脈硬化や骨折リスクがある、乾燥肌、かゆみの原因になることも

リン管理のためにできること
①加工食品、清涼飲料水を出来るだけ避けようにタンパク質不足には注意しよう③内服薬を上手に使おう。

カルシウム管理

理想的なカルシウム管理目標値:週初めの透析前で8.4〜10.0mg/ dL

カルシウム管理の注意点:リンの管理がカルシウム管理のコツ、リンとカルシウムを目標内で保つことで動脈硬化や骨折のリスクが減らせる

カルシウム管理でできること
①リンの管理をしっかり行う②リンの管理のためにできることをする


第2講演のまとめ

電解質とは』・『慢性腎不全における水・電解質の特徴』・『透析中の水・電解質の動き』化学や生物の授業を受けてると錯覚して寝そうでしたが『理想的な水・電解質管理のためにできること』になると研修会の後すぐに使える水分管理と食事の管理で初心者向けでしたが長期透析患者も再確認出来て良かったと思います。


第13回秋季研修会について

今回の秋季研修会の内容は初心者や長期患者会聞いても良い講演会で全国的に見てもトップレベルの講演内容だったと思います。

そんな良い講演内容が約90名の参加者だけに情報提供する事は勿体無く文字起こしして本日会場の来ることの出来ない会員にも講演内容を提供出来ないかと考えた次第です。