闘病マニア

1999年3月21日にくも膜下出血、2004年2月4日からの人工透析してるPKD(多発性嚢胞腎)患者の闘病を主に書いてます。闘病生活も10年を超えると生き延びる為に自分の病気にやたら詳しくなりマニア化してます。ただし不良透析患者なのでコイツ大丈夫と思われる事も多いと思いますが反面教師として役立てて頂けると幸いです。最後にくも膜下出血して透析してても元気にやって行ける事が多発性嚢胞腎の皆様に伝われば何よりです。

透析導入について

 

最近何かと透析導入の事について聞かれる事が多く現在2005年の導入時を振り返って何とか質問に答えてます。

透析導入時に誤った情報は何かと問題になるので今一度当時の資料と過去の記憶の再確認を兼ねてブログを書く事にしました。

自分は原疾患が多発性嚢胞腎でその中でも割と特殊な方なのでその点は割り引いて読んで頂けると助かります。

 

透析導入時を振り返って

2005年1月26日に嚢胞感染による40℃の発熱で入院し高熱が続いたことで急激に腎機能が低下して1月30日にドクターから「2月4日から透析なので明日シャントを作りましょう」とサラリと言われ1月31日にシャントを作り2005年2月4日から透析がスタートしました。

透析は月、水、金の17時からスタートする夜間透析で初めの1年は透析時間は月水金全て4時間でした。透析導入時は3時間の方も居ますが当方は80kgと体格が有ったので透析量が必要との事で初めから4時間、血流は200ml/minで開始したと記憶してます。1年で尿が出なくなり中2日での体重増加が多いので1年後から除水を楽にする事と透析量を増やす事を兼ねて月曜だけ透析時間が4時間半に増えました。

基本的に血管に問題が無ければQB300ml/min出す病院なので初めの頃は血管が発達して無く250ml/min出すと、しゃくってアラームが鳴りご迷惑を掛けた記憶があります。ゴムボールを握る運動の成果が出て1年経ったら血管が発達してQB300ml/minが楽に出せるまでになりました。


透析導入時は悲喜交々だった

血管が発達する迄の1年間は穿刺が難しく1回の透析で4回穿刺されるのはザラで痛点を刺されると痛いので穿刺は嫌で今でも慣れてません。

夜間透析なので仕事と透析の生活のリズムに慣れるには少し時間が必要でした。特に夜間透析した翌朝の不均衡症候群に透析導入時は悩まされました。

原疾患が多発性嚢胞腎なのでCKD対策として透析導入まで3〜4ℓの水を飲んでいたのに透析導入したら水分は800gに制限されて水分コントロールに慣れるまで大変でした。

食事に関しては保存期の方がリンの制限が厳しく透析導入したら制限が緩くなったのは助かりました。それ以上に透析にならない為にカフェイン制限してたけど透析導入になりコーヒーが飲める様になった事は嬉しかったです。

それから各種申請も厄介で身体障害者手帳、長期高額疾病(特定疾病)、障害年金などの手続きは一朝一夕には出来ず時間と手間を掛けたと記憶してます。


透析導入された方に向けて

飲食の制限

食事制限は塩分、リン、カリウムを過不足なく摂取する事で特に加工食品にはリンが多く含まれるので摂取には気をつける事。

塩分を適量に摂取すると自ずと水分の増加量を守れるので塩分のコントロールを頑張る事

日常生活のこと

導入時はシャントの運動療法を行い血管を発達させる事。

シャントは大切なので医師の指導通りシャントに負荷のかかる行為は慎む事。

薬の数が多いけど処方された薬は忘れずに飲む事。

 

お勧めの書籍

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①『透析をはじめる人のガイドブック』
一般財団法人 全国腎臓病協議会】
・治療方法、医療費、年金、仕事、福祉、患者会などのことを全般的に書かれてる書籍で「透析をはじめる人のガイドブック」は全腎協のホームページで注文するか各病院の腎友会に注文を入れて下さい。

②『 改訂2版 透析医が透析患者になってわかった しっかり透析のヒケツ: エビデンスに基づく患者さん本位の至適透析』【鈴木一之】
・透析導入されたばかりの人には難しいかも知れませんが透析について詳しく書いて有るので透析について知るならこの本がお勧めです。

③『透析バンザイ』【バンザイ】
・ネットでも読む事が出来るバンザイさんが描かれた漫画の書籍です。漫画で分かりやすく透析に付いて書かれてるので一度は目を通す事をお勧めします。

④『透析患者の検査値ポケットブック: 患者指導にすぐ使える』【友 雅司】
・血液検査のデータに付いて書いてあります。少し専門的になるので内容は難しいですが「検査値からわかることと治療方針」があり異常値の治療方針がわかるのでお勧めします。

⑤ 『改訂2版 透析患者の薬剤ポケットブック: 適正投与量&服薬指導のポイントがひとめでわかる!』【平田純生】
・薬は全部通ってる透析施設から出して貰う人には必要ない本です。市販薬の胃薬や解熱剤を飲まれる方は禁忌や減薬する薬が載ってるのでお勧めします。


最後に

透析導入時は初めての事も多くて不安になりますが20年、30年、40年も透析をされている方も数多くいるので心配ご無用です。

透析に慣れるまで何かと大変かも知れませんが血液検査の結果を食事に反映させてリン、カリウムの摂取量を加減して下さい。

塩分管理は体重管理と同じ事で減塩に努めて体重は必ず毎日計り増減を把握して下さい。

シャントの管理は毎日音か拍動を確認して主治医から指導された注意事項を守って下さい。

最後に原疾患が多発性嚢胞腎の方の透析は他の原疾患の平均より長く生きる傾向があります。思いの外長く生きる事を想定して人生設計をして下さい。